テニス肘
テニス肘とは、テニスのストロークを反復して行なうことにより、肘が痛くなる障害です。
肘の周りの筋肉が炎症を起こして痛みが生じ、テニス以外にスポーツをする人でも発症することがあります。
正式名称は、上腕骨外側上顆炎または上腕骨内側上顆炎と言います。
テニス肘の症状
物を持ち上げたり、タオルをしぼったりすると、肘周辺から前腕部にかけて激しい痛みが出ます。
また、痛みのある部分を押したり、手の甲の方へ手首を反らしたりすると、痛みが生じます。
安静にしていると痛みを感じることはありません。
テニス肘の原因
主な原因は上腕骨外側上顆が炎症とされています。
上腕骨外側上顆の部位には手首や指の動作に関係する筋肉と連動しています。
それらの筋肉のうち、3つの筋肉が上腕骨外側上顆に対してストレスを与えるため炎症を引き起こすわけです。
◆ 原因となる3つの筋肉
- 長橈側手根伸筋
- 短橈側手根伸筋
- 総指伸筋
腱鞘炎
骨と筋肉をつなぎ合わせる腱をとりまとめる腱鞘が炎症を引き起こすのが腱鞘炎です。
文字を書いたり絵を描いたりするのを職業とする人、楽器の演奏をする人、スポーツをする人など、普段から手や指を頻繁に使う人によく発症します。
最近では、パソコン作業をする人にも腱鞘炎になる人が増加してきました。
マウスを使ってクリックしたり、キーボードで入力したりする作業を長時間にわたって継続していると、腱鞘炎を引き起こすことがあります。
また、長時間にわたってゲームをしたりスマートフォンを使用したりする人も腱鞘炎を起こしやすくなります。
腱鞘炎の症状
腱鞘炎は徐々に症状が出るわけではなく、静かに症状が進行して痛みが急に出るという特徴があります。
まず、以前のように手が動かなくなったり、手を動かすと気だるさを感じたりします。
また、痛みがないのに手首周辺が腫れあがることもあります。
この段階では腱鞘炎であることがわかりません。
◆ 症状が現れ始める初期の段階
指や手首に違和感を感じるようになったり、痛みを出たり消えたりという症状が出ます。
この段階では、痛みはあるがどの部分に痛いのかを特定できなこい場合がほとんどです。
◆ 症状がさらに進むと
押すと痛いという部分がはっきりとしてきます。
痛みを断続的に感じるようになり、日常生活でも通常の手や指の動きがしにくくなります。
最終的には、神経に痛みを感じるようになり、血流が悪化して痛みすら感じなくなることもあります。
腱鞘炎の原因
腱鞘炎は手や指を酷使する人に発症することが多いのが特徴です。
手や指の動作には腱鞘は必要ですが、負荷がかかり過ぎたり、使い過ぎたりすると、腱鞘の厚みが増して腱と腱鞘がこすれて炎症を引き起こします。
また、女性の場合、更年期や妊娠期にホルモンバランスが崩れて腱鞘炎になることがあります。
ホルモンバランスが崩れると本来の筋力が低下して、手や指にかかる負荷が大きくなり腱鞘炎を引き起こすと考えられています。
バネ指
バネ指は、腱鞘炎になったときに手の指に起きる症状のことで、弾撥指(だんぱつし)とも言います。
指を頻繁に使うと出やすい症状で、性別を問わず発症します。
更年期や妊娠期、産後の女性はバネ指になりやすい傾向があり、糖尿病や透析患者で症状の出る人が多くいます。
バネ指の症状
腱がスムーズに動かせなくなり、手のひらがしびれて、指の付け根に痛みや腫れ、炎症を引き起こします。
症状が出るのは、母指・示指・中指・環指などです。
症状が進行すると、筋肉がやせてくるため、細かい作業をするのが困難になります。
バネ指の原因
指を使い過ぎると腱鞘部分が過度にこすれて、炎症を引き起こします。
炎症により腱鞘は分厚くなり、指がスムーズに動かなくなり、引っかかったような感じになります。
そのため、指を屈伸する動作をするとバネが反動するような状態になり、完全な動きができなくなります。